1588年、豊臣秀吉によって南伊勢約12万石を拝領した蒲生氏郷によってわずか3年で築城された平山城です。蒲生氏郷は幼少の頃に人質として織田家に差し出されますが、その利発さと器量の大きさに信長から大そう気に入られ、娘の冬姫を嫁がせるほどの人物でした。
安土城の築城にも携わっており、松阪城の本丸には安土城に似た天守が建てられ、全国でも屈指の壮大な石垣は、安土城よりも強固で美観と言う点でも優れているとも言われています。
美しさだけではなく、高い石垣に囲まれた空間を2度折れ曲がりながら進む「枡形構造」や、裏門から天守に至る間に4度も続く桝形は、きわめて防御性が高い構造となっていることがわかります。
現存する建物はありませんが、歩道から見上げる二の丸の高石垣も圧巻です。