第39回 鉢形城 <埼玉県>

空堀と馬出

四脚門・秩父曲輪

18 鉢形城<埼玉県>

上州や信州方面などの交通の重要拠点にある鉢形城は、深沢川と荒川に挟まれる断崖絶壁の上に築かれた天然の要害でした。1467年山内上杉氏の家臣の長尾景春が築城したと伝えられ、後に小田原城主の北条氏康の四男氏邦が上野国支配の拠点として整備拡充を行い、現在も24万㎡の城跡がそのままで残されています。

武田信玄や上杉謙信などによる攻撃を受けながらも落ちない堅城でしたが、1590年の豊臣秀吉による関東(小田原城)征伐の際に、前田利家、上杉景勝、本田忠勝、真田昌行ら5万の大軍に包囲され、約一ヶ月半籠城した末に城兵の助命を条件に降伏、開城しました。開城後は廃城となり、徳川氏配下の成瀬正一、日下部定好が代官としてこの地を治めています。

現在は鉢形城公園として整備され、広大な土地には断崖絶壁の上にあった本曲輪、土塁や堀、復元されてた四脚門、北条氏の城の特徴である「角馬出」などがあり、見どころが盛りだくさんです。

 

別称:岡城

埼玉県大里郡寄居町

荒川と断崖絶壁の上にある本曲輪