第12回 安土城 <滋賀県>

<天主跡>

<二王門>

51 安土城<滋賀県>

1576年から3年の歳月をかけて完成された織田信長の居城。築城から3年後の1582年、本能寺の変の後ほどなくして原因不明の放火によって天主(安土城では天守ではなく、天主と表記)や本丸が焼失し、現在は石垣だけを残しています。

標高199mの安土山に築かれた天主は、地上6階、地下1階の構造で、かつての地下部分にあたる天主台跡には、現在東西と南北とにそれぞれ10列の礎石が1~2m間隔で整然と埋められ、全体を背丈ほどの石垣が取り囲んでいます。石垣の上からは琵琶湖や近江平野が見渡せ、日本建築史上、最初といわれる高層天主からの眺めはさぞかし壮観であったと想像できます。

山頂に至るまでの広い登場路(大手道)は、三つの部分によって構成されています。入口の大手門から山腹まで約180mにわたり真っ直ぐに延びている石造りの階段は、道幅約6mで両側に1m強の側溝があり、さらにその外側を高さ3mの石塁が囲む大胆かつ堂々たる造りで、足を踏み入れるとすぐにこの城のスケールの大きさを感じることができます。

滋賀県東浅井郡湖北町郡上

<大手道>