第29回 水戸城 <茨城県>

三の丸跡から見た、大手橋と2020年に復元された大手門

本城橋から見た、空堀跡に走るJR水郡線

弘道館

14 水戸城<茨城県>

鎌倉時代初期に馬場資幹が居館を構えたのが始まりといわれ、後に江戸氏、佐竹氏を経て、関ケ原の戦い後、徳川頼房を水戸藩初代藩主として11代にわたり水戸徳川家の居城となりました。2代城主は水戸黄門で有名な水戸光圀公が務めています。

 

北に那珂川、南を千波湖、西に五重の堀、東に三重の堀で守りを固めており、石垣を用いず土塁と堀によって4つの曲輪を構築した、国内最大級の土造りの平山城です。

現在、二の丸の空堀跡には国道232号線、本丸の空堀跡にはJR水郡線が走っており、本城橋から列車の通過を見ると堀切の深さがよくわかります。

 

水戸城跡は現在文教地区で、大手門から入ると二ノ丸・本丸跡には幼稚園から高校まで存在し、同じエリアに二の丸角櫓や、本丸跡にある薬医門(水戸城で現存する最古の建築物)などが違和感なく溶け込んでいます。

三の丸跡には9代城主・徳川斉昭(15代将軍・徳川慶喜の実父)によって創立された日本最大規模の藩校「弘道館」が一部残っており、正門などは国が指定する重要文化財です。

 

別称:馬場城

茨城県水戸市三の丸

薬医門